この記事自体は、10日くらい前のものですが、具体的な企業についての連載も継続していてなかなか興味深いです。本来は20年くらい前にこうなっていても良かった気もしますが。
しかし、急に去年ぐらいから起こった傾向では必ずしもないことは確かです。特に、官僚への人気が落ちて来たというのは、日本版ロースクール(このロースクールの制度自体は、なかなかうまくいかない状況に陥っているようですが)が始まった頃から、官僚の方々と話すと、優秀層が官庁に来なくなってきている、という危機感を示す方々が多くなってきたように思います。
また、より最近では、メガバンクを第一志望にする学生が急激に減ってきているという話は、採用担当者サイドからも学生サイドからもよく聞きます。いまだに、メガバンクは、大学毎のリクルーター制度で新卒採用をやっている(これは30年前と同じ)とのことですが、会社説明会でも、有力大学の部屋になればなるほど、来てる学生の数が少なく、熱気が乏しく、採用担当者の危機感は相当深いようです。
方向としては、良い変化なんだと思います。ですが、一番エッジが立っている学生の局所的な現象以上になってきているのかどうかが重要な気がします。
また、本郷「バレー」と言っちゃうのはどうなのかなとも思います。日本の場合、90年代後半に渋谷が盛り上がった時も、「ビットバレー」と名付けていたわけで、東京のさらにそのサブセットの地域を、どうも一つのエコシステムと言いたがりますよね。グローバルにみると、シリコンバレーだって、地理的に極めて広い地域をさしている訳で、渋谷だ本郷だっていうのは日本だけのような気がします。そこには、たぶん、エコシステムの構成要因に対する誤解があるような気がします。労働市場の流動性とか、VCなどの資金提供力などをその不可欠の構成要素と考えるならば、エコシステムが地理的に極めて限られたスペースで完結できるはずはないんですよね。
字数が多くなってきてしまったんで、ここらへんのより詳しい話は別のCOMEMOで論じることが出来ればと思いますー。