この記事は武田に関することだけではないですが、「借金返せるのか?」という見出しはどうなんでしょうね。株主は債権者ではないですからね。もちろん、企業に対するキャッシュフロー権としての順番としては、株主が債権者に劣るので、その意味では、もちろん借金返した後でしか株主に企業価値は配分されませんので、この発言には一理あります。しかしながら、企業がリスクをある程度取って行くことは、株主の利益に合致するはずです。なぜなら、うまく行ったときのupsideは債権者ではなく株主のものになるからです。21世紀に入ってからの日本企業の相対的な低迷の大きな原因の一つが、企業が本来取るべきリスクの低さにあったはず。この武田買収案件では、日本の株主もその質が問われることになるかもです。